2018年7月3日 航空連合
就職前は飛行機や空港関連の仕事に「少ししか関心なかった・関心なかった」54.2%
意外に広い活躍の門戸、現職2割が転職を経験
仕事の魅力は、空港で働く醍醐味
「人生の大切な場面に立合う」「機内から手を振り返して貰う」、「専門性と成長感」など
「命を預かる責任感」「時間との闘い」「刻々と変わる状況」などで大変さ感じる仕事だと思う8割
でも、職場の良さ1位「仲間に恵まれている」、2位「日々のやりがい」
「同僚に相談」「旅に出る」「家族と過ごす」「切り替える」など乗り越え方も色々
航空関連産業で働く仲間の産業別労働組合の「航空連合」が、このたび全国の空港地上職1300名の声を集めた「空港現場で働く意識調査」を行い、地上職が活躍する空港の裏側を紹介します。
本結果を通じて、旅行やお仕事で空港を利用する方や就職活動で航空産業などをご検討の方達、地元に空港がある方達に、空港で働く裏方のお仕事の実態と、日々の定時・安全運航を支える仕事にかける現場の思いなどを感じていただけると幸いです。
空港で働く地上職というと専門性が高いため、就職前から「空港の仕事に非常に関心がある人」がばかりが働いている印象があるが、実際には45.8%にとどまり、当初は「少ししか関心がなかった人・関心がなかった人」は半数を超え、門戸の広がりがあることを示した。また、「非常に関心があった」中には、地元に空港があったことで空港や飛行機に関わる仕事に興味を持ったという声も多かった。
仕事の魅力としては、やはり「空港で働く醍醐味」であるお客様とのコミュニケーションや飛行機を定時に安全に運航する一員であることの実感の声や、「専門性の高い業務」や「成長できる環境」などを挙げる声が多かった。一方で、空港の緊張感を伴い、高い専門性と責任の大きな業務が多いため80.5%が「日常的に大変さを感じる仕事である」と認識していた。そのため、職場の良い所として60%以上の人が「仲間に恵まれていること」を選び、次いで「日々の業務のやりがい」を挙げていたのが特徴的であった。また、自由回答から大変さを乗り越えていく過程でも、職場の同僚とのコミュニケーションが非常に重要な役割を担っていることが分かった。
職種別で事前の関心度を比較すると、就職前から「非常に関心あった」割合が高かった職種は、接客などを行う「グランドスタッフ(58.6%)」や、飛行ルートや気象などの情報をパイロットに提供し、発着工程などを管理する「オペレーション(航務、50.0%)」、機内で手荷物や貨物など搭載位置を調整して飛行機の重量や重心位置を安全に飛べる調整をする「ロードコントロール(75.4%)」であった。
一方で、飛行機が所定時間で離着陸できるよう機体の周りで様々な仕事を行い、お見送りで地上から手を振ったりする「グランドハンドリング(ランプ)」や荷物の飛行機への搭降載を支える「グランドハンドリング(貨物)」、国内外への空輸業務を支える「貨物・物流」などの職種では、就職前から「関心がなかった」割合が3割強を占め、幅広い選択肢から現職を選んでいたことが分かった。
・ビジネス街ではないところで働きたかったため【男性/36~40歳/貨物・物流】
・専門的な分野で手に職を付けたかったから【女性/26~30歳/グランドスタッフ】
・海が近く、仕事を終えてから好きな釣りに行けると思ったから【男性/31~35歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・通勤時間などライフスタイルに合わせて【男性/26~30歳/グランドハンドリング(貨物)】
・正社員採用であったから【女性/26~30歳/グランドスタッフ】
・ヘッドハントをうけた【男性/31~35歳/貨物・物流/航空関連の別の会社から転職した】
・派遣会社の紹介【女性/46~50歳/グランドスタッフ/航空関連ではない会社・仕事から転職した】
・航空業界関連のドラマ、映画など【男性/26~30歳/グランドハンドリング(貨物)/新卒で現在の職場に就職した】
※10位以下の結果はサイトの調査結果をご参照ください。
・部活で空港を利用した時、裏方の仕事が面白そうだった。沖縄では空港が玄関口、仕事は将来的に無くならないと感じた。【男性/31~35歳/スタッフ】
・IT業界で培ったITサポートスキルを空港で活かしたいと思ったから【男性/36~40歳/スタッフ】
・人命を預かる仕事、やりがいを感じられると思った【男性/26~30歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・英語を使って仕事をしたかったから【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・客室乗務員とは異なり、幅広いフィールドで長く働けると思ったから【女性/26~30歳/グランドスタッフ】
・地元に貢献している企業に就職したかったから。【女性/31~35歳/オペレーション(航務)】
・体を動かす仕事をしたかったから【男性/31~35歳/スタッフ】
・特殊な業務だったため、興味が出たから。【男性/41~45歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・会社説明会の時に接した先輩社員の対応がとても良く、素敵な人材がいる会社だと思ったから。【女性/31~35歳/グランドスタッフ】
・車に乗る仕事だったから【男性/26〜30歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・夢だった客室乗務員と近くで仕事が出来ると思ったから【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・様々なお客様の大切な場面に出会えること。お客様と接するだけで楽しい気分になれること。【男性/20~25歳/グランドスタッフ】
・すぐ近くに飛行機があるところ【女性/26~30歳/スタッフ】
・自社の航空機を運航させる一部分を担えているところ。【男性/26~30歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・お見送り時にお客様が手を振ってくれた時に、この仕事をしていて良かったと感じた。【男性/36~40歳/グランハンドリング(ランプ)】
・航空業界で働くのに必要な基礎がしっかりと身につけられるところ【男性/26~30歳/グランドスタッフ】
・全国の他空港の方々と接点がある【男性/31~35歳/オペレーション(航務)】
・まだまだ成長が期待される分野であり、会社も挑戦を続けているところ【男性/31~35歳/貨物・物流】
・平均年齢が若くステップアップが早い為、早い段階で責任のある業務を任せてもらえるところ【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・若年層のやりがいを見ていると励みになり自身が頑張らないと!とポジティブになる!【男性/46~50歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・男女関係なく努力をしただけ知識が付き、業務に直結し良いオペレーションを目指すことができる。また、国際空港でありながら他の空港に比べて小規模のため、横と縦の繋がりが強く、会社をチームとして感じられるタイミングが多い。加えて、他部署理解を深める機会が年々増えていることから1便をみんなで安全運航に繋げている実感が増している。また、年次の低い社員のアイディア、意見でも積極的に耳を傾けてくれる上司が多くいる。【女性/20~25歳/オペレーション(航務)】
・職場内での挨拶やコミュニケーションが取りやすい点【男性/36~40歳/スタッフ】
・仲間とのコミュニケーションが密であること。褒める文化があること【女性/26~30歳/グランドスタッフ】
・チームスピリットを日々感じることができる【男性/20~25歳/グランドスタッフ】
・人の役に立ちたい、チームワークを大事にしているスタッフが多い【男性/36~40歳/貨物・物流】
・働き方や立ち居振る舞い等ロールモデルになる方が近くに沢山いる【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・何もなければ定時で帰れる事【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・シフト勤務の為、平日に自由な時間があること【男性/26~30歳/貨物・物流】
・給与面だけでなく福利厚生制度など日々、制度の充実が実感できていること【男性/31~35歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・航空券購入で優待が使える点【男性/20~25歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・仕事終わってから釣りに行ける【男性/31~35歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・平日の子どもの行事に参加しやすいところ【男性/36~40歳/グランドハンドリング(貨物)】
・育児などに理解がある【女性/31~35歳/グランドハンドリング(貨物)】
インバウンドによる乗入れ便の増加や宅配の普及などに比例した貨物の増加の影響や、専門性が高い職務内容や「天候やお客様、機材、どれをとっても同じ状況はない」という空港の仕事ならではの緊張感や責任感を日々感じて「大変さ」を感じて働いている人が8割を超えています。
・瞬時に判断しなければ、遅延につながるだけではなく、場合によっては運航の安全性にまで影響を及ぼすところ【男性/26~30歳/オペレーション(航務)】
・たくさんの人の命に大きく関わる事。 【男性/26~30歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・1つの見落としが重大事故に繋がる可能性があるとういう責任。【女性/26~30歳/貨物・物流】
・タイムプレッシャーを感じる中で責任の重い判断をしなければならない場面が多々ある。またお客様のご希望に添えず、お断わりをしなければならなかったり、イレギュラーが多くお詫び・時間外の対応をしたりする事がある為やりがいではあるものの、大変ではある。【女性/26~30歳/スタッフ】
・機材不具合、遅延、台風接近時などイレギュラー時【男性/ 31~35歳/スタッフ】
・いかにしてお客様にベストな提案ができるか、スムーズに対応できるかを考えるとき。お叱りも受けることもあり、その時は、大変さを感じる。【男性/20~25歳/グランドハンドリング(貨物)】
・天候や遅延など毎日、同じ状況はなくその中でも、顧客(受託キャリア)からのリクエストに最大限応えること。【男性/26~30歳/グランドハンドリング(貨物)】
・高い専門性を必要とされ尚且つ業務量が多い【男性/41~45歳/スタッフ】
・覚えること、勉強することが多いこと。【女性/20〜25歳/オペレーション(航務)】
・海外航空会社の乗入れの受託が増えすぎてひとり当たりの負担が増えたこと【女性/31~35歳/オペレーション(航務)】
・資格人材の慢性的なマンパワー不足 【男性/31~35歳/グランドスタッフ】
・日々、良い接客とは何かを考えています。【女性/31~35歳/グランドスタッフ】
・真冬の雨の中での作業や、真夏の連続作業の中で、手順を確実に守り集中力を切らさないようにしなければならないこと。【女性/31~35歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・描いている姿と自分の能力のギャップ【男性/31~35歳/貨物・物流】
・勤務時間が不規則【男性/31~35歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・色々な貨物を仕分けするため、大きく重たいものなど持つときに体に負担がかかります。繁忙期になると貨物量も増える為、大変忙しくなります。【女性/41~45歳/グランドハンドリング(貨物)】
・物流業界内各企業のシステムがバラバラで、データ処理などに労力を有する。【男性/31~35歳/貨物・物流】
・先輩方や同期からどのように対応しているか聞き、次の業務での改善を心掛けている。【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・同期と協力して勉強したり、オフの日にゆっくり休んだりする事【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・新入社員の時の気持ちを思い出し「何事も経験だ」と信じてどんな業務にも積極的に参加する事を心掛けている。同期と同じ時間を過ごすことで気分転換をしている。【男性/20~25歳/グランドスタッフ】
・自分の中に溜め込まないこと、思っていることを共有しておくことで、自分だけが負担を感じているわけではないという安心感につながるから。【女性/31~35歳/グランドスタッフ】
・しっかりと自身の中で落とし込み、落ち着いてお客様とコミュニケーションを取る。仕事終わりに同期や先輩後輩とご飯を食べに行く事って気分転換する。 【男性/20~25歳/グランドスタッフ】
・笑うように心掛けている【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・失敗を飛行機に乗って自分の仕事が飛行機を飛ばす一端を担っていることを実感出来るような時間を過ごして、モチベーションを上げて、リフレッシュにしています。 【男性/31~35歳/スタッフ】
・残業しないで帰宅する日を設ける。スーパー銭湯に行く【女性/26~30歳/グランドスタッフ】
・海に行く【男性/36~40歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・オフの日に実家に帰って癒されてくる【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・子供の寝顔を見る。【男性/36~40歳/グランドハンドリング(貨物)】
・制服を脱いだら仕事の事は忘れる【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・クレーム・トラブル等は深く悩み過ぎず、全て糧として捉える【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・ミスした際には振り返りをすぐに行い気持ちも切り替える【女性/20~25歳/グランドスタッフ】
・土日がくれば一旦リセット出来る、と気力を奮い起たせる。【男性/36~40歳/グランドハンドリング(ランプ)】
・他の人にない環境に今の自分はいる=自分にしか学べないことがある=人より成長できる!というように考えています。辛くなったら空港の 展望デッキに行って、同じ会社で働く写真や自社便を眺めて自分を奮い立たせています。【女性/20~25歳/オペレーション(航務)】
・違う会社の人とご飯に行き、情報収集をして自分の仕事に活かせることや勉強すること。【女性/26~30歳/グランドハンドリング(ランプ)】
職種別の傾向をみると、飛行機の誘導から貨物・手荷物の搭降載まで行う「グランドハンドリング(ランプ、貨物)」で最も多かった声は、「手荷物預かりの締め切り時刻に関して」で4割を超えた。また、飛行機の安全運航のための機内における荷物配置などを決める「ロードコントロール」では「手荷物や貨物の危険物ルールに関して」が5割と最多で、両職種とも手荷物を扱う職務内容を反映する結果となった。
•回答者の職種(n=1,300)
•回答者の職種別男女構成比
調査結果詳細
http://hataraku.jfaiu.gr.jp/docs/research2018.pdf
AI・ロボット編はこちらから:http://hataraku.jfaiu.gr.jp/research2018-robot.php
空港おすすめスポット編はこちらから:http://hataraku.jfaiu.gr.jp/research2018-spot.php
全国各地の空港を支える裏方たちのお仕事インタビューや、働く現場のあるあるが詰まった動画・4コマ漫画などをご覧いただける、空港で働く魅力を発信する特設ウェブサイト「空港の裏方お仕事図鑑」をリリースし、インタビューなどコンテンツを更新しています。
空港の裏方お仕事図鑑:http://hataraku.jfaiu.gr.jp/
航空連合は、航空関連産業で働く仲間・労働組合が大同団結し、産業の魅力向上や基盤強化に向けて1999年10月に結成された、航空労働界を代表する最大の産業別労働組合です。54の企業別組合の41,419人(うち、客室乗務員は14,000人)で構成され、ナショナル・センター「連合」に加盟しています。本部の他、北海道、成田、東京、大阪、愛知、福岡、沖縄の7つの地方組織を持ち、産業政策提言を中心にそれぞれ活発な活動を行なっています。その他、各種セミナーやフォーラム・シンポジウムを開催し、加盟組織内における情報共有や交流の促進を図り、様々な取り組みを通じて航空産業の健全な発展とそこに働く者の生活・働き方の向上に向けて取り組んでいます。
URL:http://www.jfaiu.gr.jp/
調査結果詳細や職種に関しては「空港の裏方お仕事図鑑」の調査結果ページをご覧ください。
調査結果詳細:http://hataraku.jfaiu.gr.jp/docs/research2018.pdf
※調査結果をご利用の際は「航空連合調べ」と表記をお願いします。
航空連合PR事務局(エポックシード株式会社内)担当:森下・松成
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